元々は生魚を食べなかった大半のアメリカ
カリフォルニアロールに始まる先人の活躍により、今ではSUSHIやSASHIMIなどを提供するレストランがたくさんあります
そういったレストランの多くのメニューには、該当する料理名に*がついていてメニュー表下部に“あること“を警告する文章が記載されています
それは
*ナマモノ/しっかり火を通していない食べ物を食べることは、特に特定の体調の時、食べ物由来の病気に罹るリスクが高くなる可能性があります
脅しみたいで怖いのですが、生魚や卵(ポーチドエッグやスクランブル、サニーサイドアップなど)やミディアムレアのお肉を提供するお店は、提供する料理の中に生ものやしっかり火を通していないものがあることを事前に通知する義務があります
そのルールに則って、上記のような文言を記載することになっているのです
最初に見た時に驚いて夫(当時彼氏)に聞いたら、
“それは法律で決められてて書かないといけないんだよ”
と言われたことも衝撃でした
滞在中の義母は自治体の衛生委員の一員だったことがあるのでもう少し聞いてみたところ、地域レベルではなく国の法律で決まっているとのことです
ちょうど彼女がその委員だった頃に制定されたらしく、友達のやっているレストランに行って説明したそう
お茶目な人なので、友人に
“どこに何て書けばいいの?“
と聞かれ
“入り口に<生のもの食べたら死ぬかもしれません>って書くのはどう?”(もちろん冗談です)
というエピソードを教えてくれました
文言の記載は必ずしもメニューに載せる必要はなく、各テーブルやお店の分かりやすいところに書いてあればOKなのだそう
一字一句これじゃなきゃいけないというような文言は定められていませんが、群(アメリカ合衆国〇〇州の下にあるいくつかの市をまとめた呼称County)ごとのWebサイトに例文が載っています
上記はシアトルの含まれる群のものです
"Raw Oysters on the Half Shell (consumption of raw oysters may result in foodborne illness.)"
生牡蠣を食べることは食べ物由来の病気に罹る可能性があります
Caesar Salad Dressing: "Our dressing is made with raw eggs (consumption of raw eggs may result in foodborne illness.)"
私たちのドレッシング(シーザーサラダドレッシング)は生卵を使っています(生卵を食べることは食べ物由来の病気に罹る可能性があります)
"Some of our eggs are undercooked such as sunny-side-up, soft-boiled, and soft poached and are served only upon request (consumption of raw eggs may result in foodborne illness.)"
サニーサイドアップ、茹で卵、ポーチドエッグのように調理する卵は、お願いされた時のみです(生卵を食べることは食べ物由来の病気に罹る可能性があります)
"Hamburgers cooked rare, medium rare or pink in the middle may be undercooked and are served only upon request (consumption of raw beef may result in foodborne illness.)"
ハンバーガーの焼け具合をレア、ミディアムレア、真ん中を生焼けにする調理はお願いされた時のみです(生肉を食べることは食べ物由来の病気に罹る可能性があります)
"Our orange juice in unpasteurized (consumption of unpasteurized juice may result in foodborne illness.)"
私たちのオレンジジュースはパスチャライズしていません(パスチャライズしていない果物のジュースを飲むことは食べ物由来の病気に罹る可能性があります)
"Fruit smoothies contain unprocessed fruit juice (consumption of unprocessed fruit juice may result in foodborne illness.)"
フルーツスムージーには手絞りの果汁が含まれています(手絞りの果汁を飲むことは食べ物由来の病気に罹る可能性があります)
このように生魚や卵のみでなく、ミディアムレアのお肉や果物も該当し、いずれも“病気になる危険があるから自己責任でよろしくね!”と言った感じです
日本だと生牡蠣はあたるかもな…というのは不文律で、日本だろうと家だろうと体調によっては食中毒になる人もいれば同じものを食べてもケロッとしているひともいるし、ある程度覚悟はして食べる気がしますが、ここは訴訟大国
なので明文化しておくといった意味合いでも、メニューに載せているお店が多いのでしょう